はじめに:資格はスキルの証明とキャリア戦略の一環
インフラエンジニアにとって、資格は「技術力の証明」であり「キャリアアップへの武器」となります。現場では経験が重視される一方で、未経験やキャリアチェンジ組にとっては資格が自信と実力の裏付けになります。
特にインフラ領域では「設計・構築・運用・保守」と段階ごとに求められる知識とスキルが異なるため、フェーズに応じた資格を取得することが重要です。本記事では、目的・難易度・実務適用度に応じたおすすめの資格を、優先順位をつけて紹介します。
インフラエンジニア向け資格の種類と分類
インフラエンジニアが取得すべき資格は、次のように分野ごとに分類されます。
資格名 | 対象レベル | 分野 | 目的 |
---|---|---|---|
基本情報技術者試験 | 初級者 | 全般 | IT知識の土台を固める |
LPIC Level1 | 初〜中級 | Linux | Linux環境の理解と構築 |
AWS認定 Solutions Architect Associate | 中級 | クラウド | AWS基盤の設計スキル証明 |
CCNA | 中級 | ネットワーク | ネットワーク設計・構築力の証明 |
AWS認定 DevOps Engineer Professional | 上級 | クラウド/運用 | DevOps・SREスキルの証明 |
これらの資格はそれぞれ役割が異なります。サーバーの構築や運用を重視するならLPICやCCNA、クラウドインフラを扱うならAWS資格が効果的です。
資格の優先順位と学習ロードマップ
- 基本情報技術者試験
IPAが主催する国家資格で、IT業界全体の基礎知識を体系的に身につけることができます。プログラミング・ネットワーク・セキュリティなど、幅広い知識が問われます。 - LPIC Level1 または Linux Essentials
Linux環境でのサーバー構築・管理の基本操作を問う資格で、SSH、ユーザー管理、ファイル権限などの実務的スキルが評価されます。 - AWS認定 SAA
クラウドエンジニアの登竜門ともいえる資格。設計指針やセキュリティ、コスト最適化、S3やEC2など主要サービスの理解が問われます。 - CCNA
Cisco社によるネットワーク技術者向けの資格で、ルーティング、スイッチング、IPアドレッシングなどの本格的なネットワーク技術を習得します。 - AWS DevOps Pro
CI/CDパイプライン、自動化、モニタリング設計、トラブルシュートなど、上流から下流まで対応できるエンジニアとしての力が問われます。
資格取得で得られるメリット
- 求人応募時のアピール材料になる(特にSaaS・クラウド企業)
- 未経験・若手でもスキルを「可視化」できる
- 社内での評価、昇格・昇給の条件になることも
- プロジェクトアサイン時に有利に働く(技術レベルの裏付け)
- 自己学習の到達目標としてモチベーション維持にも有効
難易度別|インフラ系資格の目安
資格名 | 目安勉強時間 | 合格率(参考) | 難易度 |
---|---|---|---|
基本情報技術者 | 200時間 | 25〜30% | ★★★☆☆ |
LPIC Level1 | 100〜150時間 | 60%前後 | ★☆☆☆ |
AWS SAA | 120〜180時間 | 70%前後 | ★★★☆☆ |
CCNA | 150〜200時間 | 50%前後 | ★★★☆☆ |
AWS DevOps Pro | 200〜300時間 | 50%未満 | ★★★★★ |
難易度は高いほど汎用性や専門性が高くなり、実務でも求められる場面が増えていきます。自身の業務内容と照らし合わせて選択すると効率的です。
まとめ:資格は「道しるべ」として活用しよう
資格はゴールではなく、キャリア設計の“地図”です。インフラエンジニアとしての現在地と目指す姿を照らすために、目的と優先度を見極めながら活用しましょう。
学びを継続し、現場での実践力と資格での証明を両立させることで、市場価値の高いエンジニアに成長できます。