ITエンジニアの間で最近話題となっている「高還元SES」。SESという働き方に不安を持っている人は多いですが、高還元という言葉に惹かれて注目する人も少なくありません。しかし、「高還元SES やめとけ」という声も聞かれ、実際に働くべきかどうか迷っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、高還元SESの実態を深掘りし、通常のSESとの違いやメリット・デメリット、そして後悔しない企業選びのポイントまで詳しく解説していきます。
高還元SESとは?通常のSESとの違い
SES(システムエンジニアリングサービス)とは、エンジニアがクライアント先で業務を行う契約形態のことです。
その中でも高還元SESは、契約単価に対するエンジニアの取り分(還元率)が高いことを特徴としています。
項目 | 通常SES | 高還元SES |
---|---|---|
還元率 | 30〜60% | 70〜90% |
年収の透明性 | 低 | 高(単価開示あり) |
キャリア支援 | あり(研修・教育) | 少ない傾向 |
営業フォロー | 企業主導 | 個人主導型が多い |
福利厚生 | 普通 | 最低限の場合が多い |
メリット:高還元SESが人気な理由
- 収入が増えやすい:単価開示があるため、自分の市場価値が明確
- フリーランス的な自由度:案件選択や稼働時間に裁量があることもある
- 脱・年功序列:スキル次第で若手でも年収800万円以上を狙える
デメリット:やめとけと言われる理由
- キャリアサポートが薄い:育成型の環境が少なく、自力でスキルアップが求められる
- 案件が短期的:契約期間が短いと職歴が安定しない印象を与える可能性もある
- 社会保障が不十分な場合:福利厚生が最低限な企業もある
高還元SES企業の選び方
- 還元率だけでなく稼働安定性を見る
- 案件単価を開示しているか
- 契約形態(準委任 or 派遣)を明示しているか
- フォロー体制やバックオフィスの質
【実例】年収比較シミュレーション
契約単価 | 還元率 | 年収 |
---|---|---|
70万円/月 | 60% | 約504万円 |
70万円/月 | 80% | 約672万円 |
90万円/月 | 85% | 約918万円 |
実際にはここから社会保険や税金が引かれ手取りとなります。
収入が高くなれば税金等も併せて高くなるため、給料アップ分手取りが増えるわけではないので要注意。
注意点:フリーランスとの差と混同に注意
高還元SESは“ほぼフリーランス”に近い契約形態でありながら、あくまで企業所属である点に注意。
そのため、自由さと責任のバランスが求められます。
こんな人に向いている
- 一定のスキルと実務経験がある人
- マネジメントよりも技術を極めたい人
- 自由な働き方を望む人
キャリアパスの構築:高還元SESから次のステップへ
高還元SESで実力をつけた後、自社開発企業への転職やフリーランス独立といったキャリア選択肢が広がります。
逆に言えば、“ステップアップの中継地点”と捉えるのも一つの戦略です。
まとめ:高還元SESは『目的』次第で有効な選択肢
やめとけという意見も確かにありますが、それは目的を持たずに選ぶと後悔する可能性があるという意味です。
「スキルを活かして稼ぎたい」「フリーランスは不安だが自由に働きたい」という人には、非常に魅力的な選択肢になり得ます。
最終的には、あなたのキャリア戦略とライフスタイルに合わせた選択がベストです。