IT系資格の登竜門として知られる「基本情報技術者試験」。
IT業界への就職・転職を目指す方や、新人エンジニアにとっては知識の土台を築くための最初のステップです。
この記事では、試験の概要から学習の進め方、合格までのスケジュール設計、さらには応用情報へのステップアップまで、現役エンジニアの目線で徹底解説していきます。
基本情報技術者試験とは?
基本情報技術者試験(FE)は、独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が実施する国家資格で、ITエンジニアとしての基礎スキルを問う内容になっています。
- 主な対象者:新人エンジニア、IT業界志望の学生・社会人
- 難易度:中(合格率は20〜30%前後)
- 受験形式:CBT方式(全国のテストセンターにて随時)
- 受験費用:7,500円(税込)
- 出題内容:アルゴリズム、セキュリティ、ネットワーク、マネジメントなど
試験構成と出題範囲
2023年度以降は出題形式が変更され、午前・午後ではなく、科目A・科目Bという構成になっています。
科目 | 内容 | 時間 | 合格基準 |
---|---|---|---|
科目A | IT基礎全般(用語・基本知識) | 90分 | 60%以上 |
科目B | アルゴリズム、設計、セキュリティなど | 100分 | 60%以上 |
効率的な学習の進め方|ステップ別に解説
STEP1:出題範囲と試験形式を把握する
まずはIPA公式サイトでシラバス(出題範囲)を確認し、どんな知識が問われるのか全体像を把握しましょう。試験形式に慣れることで、問題を見たときの“構え”ができ、初見問題への対応力が高まります。
STEP2:参考書と問題集を選ぶ
おすすめの参考書は次の2つです:
- キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
イラストとストーリー仕立てで解説されており、初心者でもすんなりと知識が頭に入ります。専門用語が苦手な文系出身者にも特におすすめ。 - 徹底攻略 基本情報技術者試験 過去問題集
直近数年分の過去問が収録されており、出題傾向を掴むのに最適。解説も詳細で、「なぜ間違えたか」が理解できる構成になっています。
また、通勤中などのスキマ時間には「基本情報技術者過去問道場」や「FEスマート問題集」などのスマホアプリも併用すると学習効率が格段に向上します。
STEP3:午前問題(科目A)から着手
用語・概念の暗記が中心なので、まずは「インプット中心」の勉強が効果的。以下のような工夫がおすすめです:
- 単語帳アプリを使って繰り返し用語を暗記
- 図解で仕組みを理解する(OSI参照モデルやデータベースなど)
- 「なぜこの答えになるのか」を説明できるように意識
STEP4:午後問題(科目B)はアルゴリズムとセキュリティが鍵
特に配点の大きい「擬似言語問題」と「情報セキュリティ」は重点的に取り組みましょう。苦手意識を持つ方が多いですが、毎日コツコツ1問ずつでも継続することで、着実にスキルが身につきます。
- アルゴリズムはフローチャートや疑似言語の「流れを追う力」が大切
- 情報セキュリティは実例と照らし合わせて理解すると覚えやすい
STEP5:模試や過去問で総仕上げ
本番直前はアウトプット中心に切り替えます。過去問を時間制限付きで解くことで、本番での集中力と時間配分の感覚が身につきます。
また、模擬試験形式の書籍やWeb模試を活用して「実戦力」を養いましょう。
学習スケジュール例(3ヶ月プラン)
期間 | 内容 |
---|---|
1ヶ月目 | 基本用語・科目Aインプット(参考書+アプリ) |
2ヶ月目 | 過去問演習+アルゴリズム対策 |
3ヶ月目 | 模試&苦手分野集中トレーニング |
合格後は「応用情報技術者試験」に挑戦しよう
基本情報はあくまで“スタートライン”です。 ITアーキテクト、PM、セキュリティ分野への発展を考えるなら、応用情報技術者試験(AP)の取得が視野に入ります。 応用情報では要件定義・設計力・マネジメント能力まで問われ、ワンランク上のキャリアに必要な視点が得られます。
まとめ:基本情報技術者試験でITキャリアの第一歩を
基本情報技術者試験は、単なる知識詰め込み試験ではなく、エンジニアとしての基礎思考力を問う資格です。 この記事で紹介した勉強法やスケジュールをベースに、無理なく着実に合格を目指していきましょう。
そしてその先には、応用情報技術者、さらには高度区分試験へと続くキャリアアップの道もあります。 学びの第一歩として、ぜひ基本情報を活用してみてください!
もし「どこから始めてよいか迷っている」「学習方法に不安がある」という方は、ITスクールやオンライン講座の無料体験を利用してみるのも良い選択肢です。正しい戦略と継続力があれば、誰でも合格は目指せます。